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サックスでアドリブソロを吹くためのトレーニング その②

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困っている人
サックスでアドリブソロを吹いてみたいんだけど、一体どうしたらいいの・・・何から練習したらいいの・・・

 

こういった悩みに答えます。

 

この記事を書いた人

馬越脇 崚(まごえわき りょう)

・フリーランスのサックス奏者

・TV出演、プロオーケストラ、舞台音楽、有名ライブハウス出演多数

・講師歴10年以上

 

本記事の内容

・コード進行の基礎

・Ⅱ-Ⅴ について

・Ⅱ-Ⅴ を使ったコード進行のトレーニング

 

前回こちらの記事でアドリブの第一歩として最適なブルースについて書きましたので、よかったら先にご覧ください。

サックスでアドリブソロを吹くためのトレーニング その①

続きを見る

 

アドリブソロを演奏するためには、ひとまずブルーノートスケールを使って頑張りましょうということでしたが、流石にそれだけで戦うには厳しいものがあるので、今回はコードを元にしたソロの取り方を解説していきます。ジャズに限らず、ポップスなどでも通用する内容ですので、自分の好きな曲に即興でハモリや合いの手を入れることができるようになります!

では早速行ってみましょう!

 

コード進行の基礎

コード進行という言葉自体はよく聞くと思いますが、具体的にどういった種類があるのかといったことまではよくわからない方が多いかと思います。それを理解する上でまず覚えていただきたい言葉単語があります。

 

重要語句

・トニック

・ドミナント

・サブドミナント

 

これはコードが持っている機能を示しています。細かく掘り下げると難しくなってくるので、ざっくりこんな感じです。

 

トニック

その調における基礎となる和音です。他のどの和音よりもその調においては一番安定感があります。

例)C-Major (C-Dur) におけるC

 

サブドミナント

トニックの次に安定感のある和音です。単体で使うこともあれば、ドミナントの前に補助的に入る場合もあります。

例)C-Major (C-Dur)におけるF

 

ドミナント

その調の5番目の和音で、トニックの次に重要です。単体だと不安定なため、トニックにつなげることで安心感が出ます。

例)C-Major (C-Dur)におけるG

 

前回の記事で説明したダイアトニックコードに当てはめるとこんな感じです。

赤:トニック

緑:サブドミナント

青:ドミナント

 

残りのコードもそれぞれ当てはめることができますが、とりあえずこの4つだけ把握できていれば大丈夫です。

 

そして、これらトニック、サブドミナント、ドミナントを並べたものをコード進行と呼びます。その進行にはいくつかパターンがあってそれを覚えてしまえばOKなのですが、基本的な型が決まっているので代表的な3つをご紹介します。

 

代表的なコード進行の型

・T-D-T(トニック→ドミナント→トニック)

・T-S-T(トニック→サブドミナント→トニック)

・T-S-D-T(トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック)

 

T-D-T

一番オーソドックスなタイプのコード進行です。お辞儀をするときのピアノの伴奏もこんな感じです。〈安定→不安定→安定〉という流れを作るので自然にメリハリを出すことができます。

 

T-S-T

サブドミナントに移動してからトニックに戻るという動きなので、ドミナントに比べると比較的安定感があります。曲の最後につけると「アーメン終止」と呼ばれる終わりかたになります。

 

T-S-D-T

先に紹介した2つのコード進行の合わせ技という感じです。〈T-S-T,〈T-D-T〉に比べるとよりドラマチックに展開させることができます。一般的なコード進行はほとんどこの形に基づいています。

 

Ⅱ-Ⅴ について

これはアドリブを勉強していくとすぐに出てくる言葉です。そもそもどういう意味かというと、

 

Ⅱ-Ⅴ とは

コード進行のことで、ダイアトニックコードにおける2番目と5番目の和音を並べたもの。ツーファイブと読む。

 

ダイアトニックコードについては前回の記事で紹介していますが、スケールの音にそれぞれ和音をつけていったものです。

 

これの2番目と5番目ということは、

サブドミナント→ドミナント

という流れを作っているので、

 

ポイント

T-S-D-T が元になっている

 

ということです。

 

ではなぜアドリブにおいてⅡ-Ⅴが重要になってくるかというと、以下の特徴があるからです。

 

ポイント

・コード感を強化することができる

・流れがスムーズになる

・フレーズのバリエーションを作りやすい

 

コード感を強化することができる

〈T-D-T〉というシンプルなコード進行でも曲は成立しますが、間にサブドミナントを入れ込むことでよりコード感をはっきりさせることができます。逆に言えば、コード感をモヤっとさせたい場合は Ⅱ を除くことでそれを達成できます。

 

流れがスムーズになる

特徴として、Ⅱ のコードは Ⅴ に強烈に引きつけられます。また、トニックは安定感がありドミナントは不安定感があるので、 Ⅰ から Ⅴ にいきなり進行するのに比べて Ⅱ を挟むことでよりスムーズに Ⅴ につなげることができます。

 

フレーズのバリエーションを作りやすい

アドリブソロをとる際に、コードを元にしてフレーズを作っていくのが一般的なので、その元になるコードが多い方がソロの幅を広げやすいです。達人級まで行けば1つのコードでいくらでも多彩なソロを生み出すことができるようですが・・・。難しいです・・・。笑

 

Ⅱ-Ⅴ を使ったコード進行のトレーニング

ではここからは具体的な練習方法を解説していきます。

まずはコードの構成音を覚えることと、Ⅱ-Ⅴの音の響きに慣れる必要があるので以下の楽譜でぜひ練習をしてみてください。

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ コード構成音

1段ずつ「♭(フラット)」が増えていき、2枚目からは「♯(シャープ)」が減ってくる構成になっています。好きな順番で練習して問題ないのですが、開始音を4度ずつ上げていくのが一般的なのでそのように表記しています。

練習のコツに関しては、正直あまりないかと思います。笑

ひたすら吹いたり音名を読んだりして、覚えていってください。最終的にはコードを見て構成音がすらすら吹ければひとまず目標達成です!その段階に来て初めて、コードを見ながら構成音が浮かぶ状態になっているので、そこから徐々にフレーズを暗記して増やしていきます。先は長いですが、コツコツやれば必ず上達するので頑張りましょう!!

 

また、一人でアカペラで練習していると流石にしんどいのでこちらの伴奏アプリをぜひ使ってみてください。

ireal pro

Android iOS

 

アプリの細かい使い方はまた別記事で書きたいと思いますが、これは本当に素晴らしいツールです!ジャズやポップスの伴奏を自動で生成してくれる上に、スウィングやボサノバなどスタイルをその都度変更できます。また、自分でコードを打ち込めばオリジナルで伴奏を作ることができるので、楽器練習には必須のアプリです。

このアプリで先程の楽譜に書いてあるコード進行を打ち込めば、いつでも伴奏付きで練習をすることができます。

 

というわけで、今回はⅡ-Ⅴについて掘り下げていきましたが、次回はこのコード進行を踏まえた上で使える実践的なフレーズを紹介していきたいと思います。

ぜひ楽しみにしていただけたらと思います!

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