こういった悩みに答えます。
この記事を書いた人
馬越脇 崚(まごえわき りょう)
・フリーランスのサックス奏者
・TV出演、プロオーケストラ、舞台音楽、有名ライブハウス出演多数
・講師歴10年以上
本記事の内容
・かっこよくするための具体的な方法
①装飾音符をつける
②ビブラートをかける
③リズムをアレンジする
〈より発展的な内容〉
①セッティングを変えて音質を変える
②アドリブソロを入れる
楽器の練習をしていると、いろいろと演奏したい曲が増えてくるかと思います。吹いてみたいかっこいい曲の楽譜を購入して、一生懸命練習しても思ったようにかっこよくならない・・・なんてことありますよね・・・。実際のプロの演奏は、楽譜に書かれていることだけでなく細々とした技をちりばめることでよりかっこよくなっていることが多いです。今回は、その隠れた技を解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただいて自分のものにしていただけたらと思います!
では早速解説していきます!
かっこよくするための具体的な方法
いきなり結論から解説していきたいと思います!
具体的には以下3つのことをプラスすることで演奏がグッとかっこよくなります。
・装飾音符をつける
・ビブラートをかける
・リズムをアレンジする
1つずつ解説していきます。
装飾音符をつける
フレーズの頂点になる部分や、曲の出だし、休み明けに入る部分などに入れることで曲に変化が生まれます。また、聞いている人の気を引きつけることができます。
例えばこのような楽譜があるとします。
どんぐりコロコロです。笑
こちらに先ほど書いたような点に気をつけながら装飾音符を入れるとこんな感じになります。
ほんの少しの変化ですが、実際に演奏してみるとかなり雰囲気が変わるのを実感できるかと思いますので、ぜひ試してみてください。
ビブラートをかける
ポップスやジャズ、クラシックなど全てのジャンルに共通する技法です。鍵盤楽器や打楽器では難しいかもしれませんが、息を使って吹く楽器や歌でしたらかなり効果的に使えます。音を揺らすにあたって気を付けることがあります。
ポイント
場面によって揺らす数や勢いを変える
例えばゆったりしたところで激しく音を揺らしてしまうと雰囲気を壊してしまいますし、逆に激しく盛り上がっているところでゆったりとしたビブラートをかけていると、曲の良さを最大限引き出すというのが難しくなってしまいます。以下のことに気をつけると適切なビブラートをかけられると思います。
ビブラートをかけるポイント
・盛り上がっているところ→細かいビブラート
・穏やかなところ→ゆったりとしたビブラート
もちろん例外はありますが、ほとんどの曲はこれらに気をつければ適切なビブラートになると思います。全てをビブラートに頼ってしまうと逆に変化のない表現になってしまいますので、かける部分とかけない部分を作ることでギャップを生み出してあげるといいと思います。
リズムをアレンジする
これはかなりハードルが高いですが、かっこよく演奏したいなら効果は抜群です!聞いている人が予想していないリズムや音を入れ込むことで、「おっ!」と気を引くことができます。具体的な方法としては以下のことを取り入れるといいでしょう。
アレンジのコツ
・単調な部分を変化させる
・シンコペーションなどを入れる
単調な部分を変化させる
例えば4分音符や8分音符が連続しているところや変化が少ない部分のことです。こちらを少し細かいリズムに変えてあげるとかなり印象が変わります。
シンコペーションなどを入れる
シンコペーションとは
強い拍と弱い拍の位置を通常と変えてリズムに変化を持たせること。
こんな感じのリズムのことです。
「タタタ」とシンプルに進むフレーズがあったときに、「タタータ」という感じで少し変化をつけることで飽きさせない上に、おしゃれに聞こえるというメリットがあります。
どんぐりコロコロで比較してみましょう。
こちらが元の楽譜です。
そして変化をつけると・・・
変えすぎだろ!って感じかもしれませんが、これくらい変えてもメロディーの重要な部分はいじっていないので、ちゃんとどんぐりコロコロに聞こえます。笑
8分音符だけの部分を16分音符にしてみたり、シンコペーションを入れてみたり盛り沢山にアレンジしていますが、まずは少しだけでもいいのでリズムを変えることで表現の幅が大きく広がると思います。
さらにかっこよく演奏するには
ここまで解説した3つの方法で最初よりもだいぶかっこよく演奏できると思いますが、ここからさらに発展させていくには以下の2つの方法があります。
・セッティングを変えて音質を変化させる
・アドリブソロを入れる
セッティングを変えて音質を変化させる
どういったジャンルの曲を吹くかによりますが、例えばクラシック向けのマウスピースを使ってジャズっぽく吹くには限界があります。また、ポップスやフュージョンをバリバリ吹きたいのに、ジャズ向けのマウスピースを使っていると思ったようなキレは出ません。
具体的にはこういった分類で考えるとわかりやすいかと思います。
ジャンル別マウスピースの特徴
・クラシック
開きが狭いラバーのマウスピース
・ジャズ
開きが広いラバーのマウスピース
・フュージョン、ポップス、ファンク
メタルマウスピース
参考までに、僕が使っているマウスピースをご紹介しておきます。
クラシック マウスピース
セルマー・パリ アルトサックス マウスピース S90 170
クラシック系のマウスピースの中では結構開きが狭いタイプになります。音の均一性がとても取りやすいです。
ジャズ ラバーマウスピース
Gottsu ゴッツ マウスピース セピアトーン VI アルト#5
明るい音色から暗めの音色まで幅広く対応してくれるマウスピースです。ジャズ系のマウスピースを吹いたことがない方でも比較的慣れやすいかと思います。
メタル マウスピース
WoodStone AM-II GROOVE アルトサックス用メタルマウスピース#7
ものすごくよく鳴ってくれるマウスピースです。思ったよりも音が出過ぎてしまうので、慣れが必要です・・・!
ざっくりとした解説ですが、ジャンルによってこれだけ使い分けているので、それぞれの音楽に合わせたセッティングを選ぶことで音質に変化が生まれ、それぞれのジャンルにあったかっこよさを出せるようになると思います。
アドリブソロを入れる
これが一番の難関だと思います。アドリブソロさえ入れればなんでもかっこよくなるかと言われたら、それは決して違いますがやはり個性を出すにはソロを入れるのが一番効果的だと思います。また、自分が一番かっこいいと思うようなフレーズを入れることができるので、それはもうかっこいいですよね!笑
まあ正直これができるならかっこよく吹く方法なんて考えないかもしれませんが・・・
なんて思っている方がいたら、ぜひ諦めないでトライして欲しいです!
僕も数年前まではアドリブソロなんて夢のまた夢で、あんなのできるわけないと思っていましたが、試行錯誤しながらいろいろなトレーニングを重ねることでとりあえずアドリブで吹くことはできるようになりました。まだまだ未熟なのでもっとかっこよくしていきたいのですが、そういった創作意欲も掻き立ててくれる上に、楽器のテクニックも数段階アップさせることができます!
こちらに導入の記事書いておりますので、ぜひご覧になってください!
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サックスでアドリブソロを吹くためのトレーニング その①
続きを見る
いかがでしたでしょうか。
簡単に実践できる3つのテクニックと、さらに発展的な内容に関して解説させていただきましたが、ひとまず最初の3つの項目をご自身で練習されている曲で試してみてください。譜面通りに演奏するのはもちろん必要ですが、演奏を楽しむために、お客さんに楽しんでいただくためにさらに工夫していくのは自分のテクニックを見直すきっかけにもなりますので、挑戦してみてください!